hishaismの打ち込み日記

ド素人がピアノを打ち込んで、「わ~できた~!」とはしゃいでいる日記

F. Chopin, 24 Preludes No. 24 in D minor, Op. 28-24.

 ショパンニ短調前奏曲を打ち込んだ (Op. 28-24)。人気の高い作品。実際には分からないけど、前奏曲中で一番好きな作品と言えば、ホ短調か、変ニ長調(雨だれ)か、このニ短調を挙げる人が多いのではないかと思う。それだけドラマチックな作品でもある。それをわざわざプレイエルで打ち込んだのは、やっぱりこの曲が好きだから。

 この曲が好きというのには大きく二つの理由があると思う。一つは単純にこの曲が格好良いということ。もう一つはこの曲の絶望的なまでの悲しみが共感を呼ぶということ(これはちょっと病的な心境といえるほどの、深い共感である)。この曲はその両面から支持されていると思う。以下、いつも通りのちょっとした制作独り言。

作った理由

  これをバーチャルのプレイエルでやってみようと思ったのは、(以下、「バーチャルだけど」という前置きが付くが(笑))強い音が使えないプレイエルで、この曲のドラマをどう描き、どう表現できるか、ということを試みたかったから。現代のピアノでは、ほとんどつねに ff で大胆に表現することが可能だけど、プレイエルではショパンが「犬の吠え声」と言って嫌った汚い音になってしまうため、いくら激烈な曲でもそれはしなかったのではないか、と私は思う(何の論拠もない)。

 それで、じゃあプレイエルに合わせた表現は何なのか――汚くないように、かつしっかりと芯のある力強い表現は出来るのか、というのが私の問題意識だった。

こんな感じで……

 全体的には、譜面上は f と書いてあっても実際には左手は mf 程度、ときにバスのリズム感を強調することもあれば(譜面にない sf を読み取る気持ちで)、なめらかにハーモニーを優先することもある。強い打鍵音は要所要所で、ここぞと言うときに使うようにした。それがどこかは譜面を見れば一目瞭然なのだけど、それでもその部分に注目して聴いて頂けたら嬉しい(聴いてくれる人がいるならば……)。

 最初のフレーズの終わりはドーシラーというのが一般的か正しいのだけど、私は譜面に倣ってドーララーにした。続くフレーズとの連関と、落差によって生じる迫力のほうが好きという、完全に個人的な嗜好。

 ひとつ注目すべきは con forza をどう表現するかという問題。さまざまな考え方はあっても、単なるフォルテとは違うことは間違いない。温かみのある変ニ長調の響きをしっかり響かせる。

 終わりは一気呵成に。右手ユニゾンの stretto から下がってきて、決然と b-cis-d で地面を蹴る。ここの stretto の迫力と、ペダルがきっちり risoluto の感じが出せた点はひそかに気に入っている。これ以上やりすぎるとバランスが崩れる。

 最後は、気持ち的には、全音域の響きからたった一つのニ音に収斂するようなイメージで(世界の終わりというと分かりやすいが、言葉にするには大げさに過ぎる)。

 


F. Chopin - 24 Preludes No. 24 in D minor. Op. 28-24.