hishaismの打ち込み日記

ド素人がピアノを打ち込んで、「わ~できた~!」とはしゃいでいる日記

Chopin - Etude in E-flat major, Op. 10-11. (Pleyel)

 ショパン変ホ長調の練習曲 (Op. 10-11) を打ち込みました。これはプレイエルの音色のほうが絶対に合うと思ったのでプレイエル用(バーチャルなプレイエルですが!)につくり直しました。「自分の打ち込みがどんなに下手でも、作らないで文句を言い続けるよりはマシ!」と、最近は打ち込みに気合が入っています。やる気スイッチが入る時期と、そうでない時期と、波があるのですよね。

 この曲、やはりアルペジオに注目せざるを得ません。これだけ幅のあるアルペジオを難なく弾き”続ける”には腕から指に至る柔軟さが必要でしょうし、それを可憐に弾くには力みがあってもいけません。さらに、アルペジオの内声・上声に出てくるメロディはしばしば半音階的に移動するので、ペダルを使って濁らせず、かつ音を切らさずレガートさせる絶妙なコントロールが求められます。さらにペダルはフレージングに関わりますし、下で書くようにアルペジオの雰囲気も大きく左右します。

 などと知ったようなことを書いていますが、そうした技術的な話はよく分からないので専門家にお任せします……。

 さておき、わたしがこの曲で好きなのはこの「con fuoco」です(譜例1)。ここにこんな言葉を持ってくるのがほんとうにすごい。そして一気にpでdolce. しかもさらにpp です。「もっと抑えて!」って。もはや胸キュン(死語)です。

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譜例1

 今回、ペダルの考え方を以前作ったときと180度変えました。以前は、「ペダルが書いてない部分では使わない!」といういかにも原理主義的(苦笑)な態度でしたが、今回は「微妙すぎるペダル遣いをショパンは書かなかったんだ!」と考えました。それは和声的にもそうですし、表現的にもそうです。ペダルの踏み方一つで豪華な響きのアルペジオから、小さな竪琴のような軽やかなアルペジオまで自在に表現できると思います。例えば終盤の、主部~コーダの半音階的な部分がそうです(譜例2)。小刻みに踏み替えながら(しかし深すぎてもいけない)、降りてきて、そのあとで一気に踏む。そうすると、「あぁ、来るべき音に落ち着いた!」という安心感をすごく感じます(※個人の感想です)。

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譜例2

 そして最後のf, ここはプレイエルだと本当に可愛らしく響きます(譜例3)(バーチャルのプレイエルですが!)。

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譜例3

 全体的な表現としては、可憐に、ときどき情熱的に、というところでしょうか。言葉で書くのもヤボですが。ちょっと急ぎ過ぎたかなとも思います。あと不満足な部分としてはアルペジオが均質的すぎるところが気になるのですが、調節しきれないので割り切りました。

 このようなことを考えながら、大好きな作品のひとつなので楽しく打ち込みました。